
【過去にもあった「ホスピタリティ」経験は無意識で勿体なかった】
かつて学生時代日本でアルバイトとして働くことのできたケーキ屋さん兼カフェとイタリア料理屋さん、そして日本航空の地上業務では、接客のみならず接遇を意識する仕事だったんだと改めて振り返ることができた。
「接客」と「接遇」とは違うものなんだという気づき。
接遇を接客の当たり前の一部として行おうとしていたのは間違いなく、日本だったからなんだ、という事にも気づいた。「職業日本人」を快くわたしの生業にする始まりがそこにあった。そして、当時はかなり勿体ないことをしてやり過ごしていた。
【同じ場所で働く人たちに出会った】
この国で初めてフルタイム(週30時間以上の労働)でホスピタリティ【Hospitality Industry:接客接遇産業】の仕事に就いた。紆余曲折を経て【2021年1月25日の記事:この仕事の始まる経緯】、今年1月下旬に始まった。仕事場にいる人たちの雰囲気、考え方、価値観、まさに新しい出会いだ。
オーナー ご夫婦
シェフ 2人
キッチンハンド 2から4人
ホールスタッフ 6人
バー 2から4人
そしてこの仕事場は、比較的裕福な常連客との繋がりを経営に生かしている日本食レストラン。
へい!っらっしゃいっ!のノリではない。
日本人のお客様は滅多にいらっしゃらない。
元首相家族やどこかの国の領事館職員の方、長者番付トップ10との方も。
正直に言って、わたしには区別がつかない。後からそう知らされてもご本人も名乗らないからどのお客さんとも変わらない対応しかできないでいる。知らなくてもいいかなとも思っていたりして…。あまり食事を運ぶ際に関係がない、などと思っている段階で。
静かに日本を堪能する空間へと意識が向かうお客様、またはかつて日本を旅してそのときの懐かしさにこの店を訪れたといってくださる方に出会うことは少なくない。
日本語を使う場所を求めていらっしゃる方や静かな空間と接遇を好む方、もちろんそうでもない方、様々である。
お客さんの食べたい気分を邪魔したくないなぁということだけはいつも思っている。
わたしの仕事内容は、ホールスタッフ(食事の運搬)とバー(サラダ、飲み物の提供)。
主に19歳から21歳くらいの年齢で、母語が日本語ではないバイトさんたちと同じ仕事をする。わたしの技量の足らなさをあちこちでカバーしてくれる。接遇に生かしたい英語表現を即興で伝授してくれる。もちろん仕事の内容も勤務日数もそれほど変わらず、上下関係など無い。明らかにお母さん方と同世代のわたしに柔らかいし頼もしい。
そして、仕事の合間に定位置で待機をする。そこに待っているのは、みんなして無意識に手を伸ばすポンプ。手のひら、手の甲、膝まで刷り込むアイテムがある。
【待機する定位置で新しいアイテムに出会った】
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わたしがお店で働き始めた時にはもう存在していたハンドクリームがある。
その店ではホールスタッフがそのボトルを通り過ぎる時、儀式のようにポンプを押して塗っていた。そして、衛生管理が徹底しているため、折角擦り伸ばして滑らかになった手にほっとするのに、ことある毎にすぐに手を洗う羽目にあう。
毎回手に取るたびに伸び心地が良くて、繰り返しポンプを押してしまうのだ。
感じたことは、
無香料、おっ(いい感じ)。
オートミール成分が興味深い。
ちょいとお高そう。
心地よく使えるものになりそう。
使い続けてみると、
さらっとしていて手に馴染んでいく。
何度も塗りたくなる心地よさに出会ったかも…。
結果(家族にも合うかも)と思い、我が家に迎えた。
家で使い始めると、顔にも首にも、ひじにもどこにでもさらりとのびて気持ちの良い塗り心地に改めて感動した。
家族はきっと、使っている。チビチビと勿体ない精神で使っているなと察しが付く。
先日10月末、お店のクリームはついに新しいボトルと交換された。
案外長持ちなんだな。9カ月は確実にそこにあったから。
そして我が家に迎えた小さ目ボトルでも半年ほどが経ち、充分に長持ちしている。

おや、残念な写真テクニック。
ポンプの上には、あるバイトさんが創った「スノーマン」が登場した。
次の日に来た別のバイトさんが、さらに帽子とサンタさんのクリスマスプレゼント袋を添えた。
スノーマン設置のため、若干ポンプ押し率は減るのだが、みんなでこのクリームの存在を愛おしく扱っている気分になる。
このハンドクリームの話をしたのは、ホールで一緒に働く人たちの穏やかさやさらっとした人柄と定位置にあるハンドクリームの質感とその存在の仕方が似ているような気がして、重なったからだ。
by citron