
雨の多い季節
まだ半袖の人
裸足の人
傘はささない
けれどべたつかない雨
面白い国にいる
目の前のLaundromat【ローンドゥロマット:洗濯屋さん】
通りかかる人は決まって開いている扉を覗く
なんだろな
毎日ひっきりなしに
大きなかごに洗濯物を揺らして持ち込むお客さん
店主のおじいさんはひょういと受け取って洗濯機に放り込む
毎日本当によく働いていらっしゃる
citronも洗濯屋さんからの洗剤と蒸気が混ざった匂い
案外好き
小学生のころ暮らしていた
社宅のそばに
毎日蒸気が噴き出していた洗濯工場があったものだから
懐かしい匂い
昭和の匂い
その地域に初めて建った自動販売機からは
大きな瓶のジュースが出てきた
便利なものが!と感激したんだ
こどもの日や
誕生日会の日に
小銭を託されて
我が家代表で子どものわたしが買いに行っていた
昭和の楽しみ
その自販機の前で
自転車を漕いでくるおじさんに
真横から
まっしぐらに走って家に帰るcitron
猪突猛進突っ込んで
自転車のおじさんをコテンと倒してしまった事故も
近所のおじさん怪我もなくて
いいよいいよと帰られて
翌日も元気で本当にほっとした
昭和の本気で危機一髪
そのうちのひとつ
自販機の近くで通学団は集まって出発した
ここに時計がついていたらいいのに…と
小学生のcitronは自販機のデヂタルな数字を見て思っていた
そしたら
通学団で待っているときも時間が分かるのに…
通学団は長い列で
いろんな学年の子が眠たい目をこすって
ランドセルのごろごろいう音
小さな子どもの作る列車
大人は着いていないのに
よく機能していたなと
今でも思う
ぞっとする
交通当番の日は
母が先回り
小さな横断歩道で
黄色い旗を持って
通学団のこども列車を見送る姿
ちょっと嬉しい特別な朝
学校に向かう間にいろんなことを考えたけど
眩しい朝日に向かって進むものだから
あの眩しさにかき消されて
学校の門をくぐったんだ
嫌なことも
「憂鬱:ゆううつ」と言うんだと後から知ったその言葉の感じ方も
毎日毎日
眩しい朝日が
はい
まっ とにかく行ってごらんと
帰りごろには
「やり遂げた一日感」いっぱい
たまには良いこともあって
大好きなのを内緒にしていた男の子のいるグループと
たまたまいっしょにcitron女子グループで
ギャイギャイ喋りながら帰った道
昭和の行き道帰り道
New Normal【ニュウ ノーマル:新しい常識、新しい生活様式】
じわじわと始まるようだけど
その前からむずむずとしていたんだろう?
身動き取れない窮屈感
手を伸ばしたい
足をつけて堂々と
顔を空に向けて叫びたい
わぁぁぁっ
by citron