1930年代のアパートだからね
この雨漏りも平常心
築1930年代以来何度も塗り替えられ継ぎ接ぎされて
2020年は日本から来たこの家族が暮らすことになっている歴史の不思議
このアパートに引っ越してもう一年が経って
もう一年の契約更新も済んだ
もう一年 もう一年 一歩ずつ いられますように
その前に暮らしていたのはインド系の小さなお子さんのいる穏やかなご家族
その前も明らかに海外から来た人がこのアパートを行き交っている
それが判る証拠がある
かつて住所を所有した歴代の人たちの郵便物がしょっちゅう違う名前で届く
前の住人のパパさんもDaさんからの知らせを受け取ると
相変わらず我が家を訪ねてくる
転送届という方法がこの国にもあるよと伝えたんだけど
たまにお会いできるのも
Daさんにとっては苦にならないらしく
むしろ仕事の話などできるようでつかの間の会話も面白いんだろうな
そう
違う場所で暮らすというのはこういうこと
そこはよくわかっていて
特に動じることなく腹が立つわけでもなく
そういうこともある
さすが
この古さ
そう受け入れている
強風の大雨はよくあるこの国この地域だから
濡れたら拭き取る
そしてエージェントにすぐ報告する
このすぐに申し出るということがとても重要な行為なんだと
改めて実感し清々しいほどの気持ちになれた出来事があったところ
家賃の交渉をした
何度もinspection(3か月点検のような制度)で担当者が来て
部屋中を眺めて写真を撮ってこちらの不便な部分の状況も伝えていてもそのままだった
こちらではオーナーがすべてを直すことになっている
全部修繕されないままこの家賃を払わなければならないのかな?と
やわらかくだけれど生きる権利はみんなそれぞれの状況にあっても平等のはずだから
真剣に伝えたんだ
このアパートの見学の時からの付き合いになる誠実な担当の方から3日後に返事をもらって
この交渉は静かに受け入れられた
静かに感謝をして
この外壁塗装工事がわたしの気持ちに特別な思いを運んできた
時機到来か?
はい!新しいものに生まれ変わるよ!と誘われているかのように感じる
または
新しい方向にどうしても進むんだ(ここにもう少し暮らすためのVISA問題が大きい…)という我が家の状況に便乗して
この工事が始まったのかなとも思えば面白い
お互いに古いものを削ぎ落として塗り替えていこうぜぇという同志のようにね
朝早くから始まって動いている職人さんたち
家の中の住人も塗り替えていくよ
生きる道に続く道
自分で塗り替えていく時機に重なったんだ
多くの人のお力と
少しの けれどわたしには勇気のいる
いやっ 生きていくためには必要なんだと
心の葛藤を抱く必要はない瞬間直観で良し!と腹を決めて
自分からの申し出を伝える一歩で
なんとかなんとか
外壁塗装工事を応援して
出来栄えを楽しみにして
お互いに
この時期=時機として過ごすことにした
そうそう
次の挑戦は
工事の人に脚立を借りて
天井の高いこのアパートの天井を拭き取る(カビとかね…)かな!
よし!
次は脚立を借りてみよう!言ってみたら
動かないものも動くかも
できないと決め込んでいることも案外
いいよと実現することもある
なんだ そんなこと?と
拍子抜けなほどに
けれど
いつでも真剣だ

白い桜が夕方の空気に揺れていたよ
by citron