
長い旅路を行くほんの手前
地図が風に吹き飛ばされた
今じゃないよと
春風が吹き散らす
来てみたら
こんな奥の小道
こういう路地
そそられる
表通りも坂道続きで
歩を進めるたびに足が止まって
立ち止まりたくなるお店ばかり
愛しの妹のお店もこういう並びにあったら
店主ごと似合うだろうな
おっと
好みは人それぞれ
妹のこだわりは奥深いからなっ
けれど上陸した最初の一週間はいっしょにこの国に来てくれてすごく精神的に助けられた
ひとり帰国するときは悲しくなった
強くいよう
やっぱり
大げんかをした過去もあるけど
妹が大好きだと思う
おばあちゃんになったら
妹の好きなようにしてもらおうと
今の感謝をどうしても返したい
できれば今のうちに
でもできないから
待っていてほしい
で
本当に情けないよ
わたしの臆病さからあまりあちこちに行けなかった
今思えば
フェリーに乗って行ける地域も
フレンチな雰囲気のエリアも
そしてこの街並みも
決して滞在していた宿からは遠くなかった
臆病者の姉で行動範囲が広げられなかった
わずかだった一人の自由時間を楽しめたかな
またすぐに落ち着いたら妹に来てもらおう
家族にも友人にもかつての果実たちにも
来てもらえるような環境を整えていよう
そう思っている今も
その妄想は変わらない
街を歩いていると
不意に
大切な人たちが目の前から歩いてきたりして!とか
いつか来てくれたら
ここに来よう
ここを練り歩こう
たくさん思って
今を歩いているんだ
楽しみにしている
有言実行変更可能
生きていれば何度でも
昔から
自分を励ます
こんなことばかり
思っている
このエリアに来てバスを降りたのは初めて
静かに驚く程度なんだけれど
ほんの数日で状況が変わり
地を這って
地に足をつけていた感覚が
風に吹かれて
狭い囲いを飛び出したみたいだ
このエリアを訪れたのも
突然のお呼び出しがあったから
ダメもとの
こちらからすみませんと言わなければならないような未確定のまま動き出した覚悟と
ちょっと面白そうかもと
今までにない視点
なのに原点に返ったかのような発想
行動している自分にニタニタしてしまう
切り替えの早さに首をかしげてしまう自分を堪えて
なにより素早い反応を下さったこのご縁に
それだけに感謝して
Daさんには
この緊張と
負けるもんかというなぜか強い気持ちと
不安でいっぱいな本性をしゃべり倒して
静かに見送られて
出発した
突拍子もない展開
まだ続く
しばらく続く
by citron
なんだろね…

こんなところに彷徨って
小雨が降ってきて雨宿りした
ん?
ここはどこだろ?
そんなひととき
小さな小さな旅に出た気分だった
帰り道はまた晴れた
長い旅路の入り口で
ちょっと立ち止まることになっても
小さな旅のような一歩が
こんなにも
新鮮だなんてなっ
こんなにも
軽やかだなんてなっ
狭い囲いや
そこでしか生きていけないなんて
案外違うものなのかも
身の丈身の丈♪
切り替えたら
案外
面白い道を彷徨いだしたのかも
まだまだ面白そうだ
おやすみ